プレスリリース
No.2520
2020/09/24
世界の携帯電話契約サービス数・スマートフォン出荷台数調査を実施(2020年)

2020年のスマートフォン世界出荷台数は前年比87.8%の12億496万台の見込
​~新型コロナウイルスの影響は特にスマホ出荷台数に甚大な影響を与え、米中摩擦の影響で5G普及が遅延する可能性~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、日本を含む世界主要33市場(32カ国1地域)の携帯電話サービス契約数やスマートフォンやフィーチャーフォンの市場を調査し、通信事業者別契約数や各種の出荷台数を予測し、メーカーシェアなどを明らかにした。 ここでは、世界の携帯電話サービス契約数、ハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)、5Gスマートフォン出荷台数予測について、公表する。

世界の携帯電話契約サービス数予測
世界の携帯電話契約サービス数予測
世界のハンドセット、スマートフォン、5Gスマートフォン出荷台数予測
世界のハンドセット、スマートフォン、5Gスマートフォン出荷台数予測

1.市場概況

 世界の携帯電話サービス契約数は世界の最大市場である中国、インドの伸びが鈍化傾向にあり、また先進国市場は契約数が頭打ちとなり増加余地が限定されるものの、アフリカや中南米の伸びは依然大きい。一方で、先進国市場及び一部の市場ではポストペイド(後払い)契約の推進とプリペイド(前払い)契約における本人確認手続きの厳格化により、使用されていないプリペイド契約が抹消され、契約数が大きく減少した市場が存在している。
2019年の世界の携帯電話サービス契約数は、81億274万7,000契約だった。2020年はアフリカや中南米では伸びが期待できるものの、新型コロナウイルス(COVID-19)による経済活動の停滞により新規契約数の増加は大きく鈍化する事で、前述のプリペイド契約の減少分を補完できず、2020年の世界の携帯電話契約サービス数は前年比99.5%の80億6,251万契約に減少する見込みである。

 一方、世界の携帯電話端末市場はASEANやインド、アフリカ向けのスマートフォン出荷台数が増加しているものの、最大市場である中国は経済の伸び悩みにより大幅に減少しており、先進国市場についても減少基調にある。
2019年の世界のハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)の出荷台数は、メーカー出荷台数ベースで16億8,721万5,000台(前年比97.8%)で、そのうちスマートフォンの出荷台数は13億7,259万台(同96.8%)だった。スマートフォンは新興国での需要は拡大傾向にあるものの、先進国では頭打ちとなっており、また中国での需要が急速に落ち込んでおり、横這いから減少基調となった。2020年の世界のハンドセット出荷台数は14億7,040万台(前年比87.1%)で、スマートフォンの出荷台数は12億496万台(同87.8%)を見込む。市場は頭打ち感が強いのに加え、COVID-19の影響で特に第2四半期(4-6月期)に端末出荷、販売が大きく減少しており、第3四半期(7-9月期)以降には市場が動き出したものの、減少分を取り返すには至らず、大きく減少する見通しである。

2.注目トピック

COVID-19(新型コロナウイルス)の影響

 多くの国々で外出自粛となる中でも、携帯電話サービス、データ通信サービスの利用はSNSやゲーム、動画配信のサービス利用拡大を背景に比較的堅調にある。一方で、2020年第1四半期(1-3月期)後半及び第2四半期(4-6月期)は多くの通信事業者がオンラインでの事務対応を進めたものの、販売店への来店者数が急減したため、新規契約や端末販売は大きく減少した。
携帯電話端末市場についても同様で、需要が急減したことに加え、工場の操業停止などにより部品調達が遅れ、製造の遅延が発生した。その結果、年末商戦向け新製品の発表を遅らせる端末メーカーも出ている。また、新製品の販促活動はオンライン中心となり、実機を手にする機会が減少している。

3.将来展望

 2020年のスマートフォン世界市場は元々、市場の頭打ち感が強く、大きな増加が期待できなかった中で、COVID-19や米中摩擦の影響により、大きな打撃を被る見通しである。特にCOVID-19の影響で世界経済が停滞した結果、スマートフォンの製造、流通が停滞し、需要も減退した。その結果、2020年はほぼ全ての端末メーカーが前年割れを余儀なくされる見込みである。
2021年以降に世界経済が再び活性化すれば、それに付随する形で携帯電話サービス契約数も緩やかに回復する見通しである。しかし、通信事業者各社は新規契約時の本人確認を強化しており、増加ペースは鈍化していくことが見込まれる。
スマートフォンについては、普及価格帯の製品についても5G対応が急速に進む見通しである。その他、ディスプレイの大画面化や折りたたみ製品の導入、複数カメラモジュールや高画質撮影機能の搭載といった性能向上が図られているものの、他のスマートデバイスとの連携をはじめとする、5G時代に即した製品開発が求められていくと考える。

調査要綱

1.調査期間: 2020年4月~8月
2.調査対象: 国内・海外移動体通信事業者(キャリア)、移動体通信端末メーカー・部品メーカー、EMS(Electronics Manufacturing Service) / ODM(Original Design Manufacturing) 企業他 
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(国内・中国・台湾、オンライン含む)、セミナー取材、ならびに文献調査併用

<移動体通信サービスとは>

移動体通信サービスとは移動体通信事業者(Mobile Network Operator)が提供する、①音声通話、②データ通信サービスの総称を指す。課金方法には、プリペイド(先払い)方式とポストペイド(後払い)方式が存在し、現在は4G(第4世代移動体通信方式)によるサービスが主流である。
また、世界のハンドセット出荷台数とは、日本を含む世界主要33市場(32カ国1地域)におけるスマートフォン(5Gを含む)、フィーチャーフォンを対象として、メーカー出荷台数ベースで算出した。但し、セルラー機能搭載タブレットやWi-Fiルーター等は除く。

<市場に含まれる商品・サービス>

移動体通信サービス(音声通話、データ通信)、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートバンド、HMD他)

出典資料について

資料名
発刊日
2020年08月27日
体裁
A4 418ページ
定価
250,000円(税別)

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